立地は「南の核」米子駅舎に

「米子地方創生大学](仮称)による地元人材の必要性を周囲の方に話すと、ある程度は理解していただけるのですがどうも、もう一つ異和感があります。
それは「大学」と言うとすぐに東京6大学や地方の有名国公私大を連想されるようで、イメージとして広大なキャンパスに四季折々の花が咲き乱れ、そびえ立つ時計台、ツタのからまる学舎群などなどの学び舎が連想されるようです。
最近では森友、加計学園が話題になっていますが、加計学園の獣医学部新設だけでも広大な敷地に学舎ビル建設など、数十億円の投資を必要とするでしょう。

大学の規模・場所は?

「米子地方創生大学」は規模的には「専門職大学」並みのため、こじんまりした大学になります。環境大学と比較して学生数ベースでは最大4分の1程度の規模になります。
創設場所は米子市中心市街地活性化エリアの300ヘクタール内で、新築ではなく費用をかけず空きビルの居抜き学舎が良いと思います。人口減でコンパクトシティが進行するなか、学生がまちの中心地に集まれば、アルバイトや通学が便利です。郊外型になると通学費用や時間がかかりバイトもままなりません。
ちなみに、米子地方創生大学は文系ですので、医大生と違って学生はバイトに精を出すことができます。サービス業などの人手不足には随分と役立つと思いますが。
以前、米子市中心市街地活性化事業の「北の核」の米子高島屋東館が規模的にも位置的にも「ピッタリ」と言いましたが、既に方針が決まりましたので、今度は米子駅南北一体化事業に組み込むことを提案します。
米子駅舎やその周辺は「南の核」として市街地活性化事業の中で「北の核」と並んで重要な位置付けがなされています。米子駅の駅舎ビルか、その周辺か、さらにイオン駅前店なども候補に挙げられます。
学生の賑わいと市街地活性化の連動が大切です。
さて「専門職大学・米子地方創生大学」の具体的な構想に入って行きたいと思います。
まず大学の設置基準に従って構想すると、学生総数は300人から400人。学生一名当りの専有面積は10平方メートルですから約4000平方メートル必要です。これに教職員室、事務室、図書館、学生ラウンジ、学舎などの付属施設が必要になりますが、ざっと7000平方メートルあれば小規模な専門職大学はできるのではないでしょうか。
以前、米子高島屋東館が7000平方メートルあったので、ここに「大学を」と提案したこともありました。
勿論、居抜きですからリニューアルには数億円かかるでしょう。体育館や運動場は設置基準によれば借用でも「良い」ことになっています。

「産業マネジメント」で既存産業の発展型を築く

ところで外観はともかく、学生にとって魅力ある創生大学にしなければなりません。専攻学科は今のところ、「産業マネジメント」と起業・創業を研究する「スタートアップの2つの学科」を考えています。
「産業マネジメント学科」は一次産業の農・林・水産業から二次の製造業、三次の卸・小売・観光・サービス業までの3コースを設け、学生の関心度で分けます。
鳥取県は農業県ですが、これまでの6次産業化や農商工連携事業の取り組みで全国に通用する商品が数多く開発されました。さらに最近では第4次産業革命のイノベーションによってIT化が進み、若者が面白く関心をもって取り組みやすくなりました。
一方、設置基準では卒業単位の4割は実習科目とする、としています。そのため実践的な職業教育の場としてインターンシップ(臨地実務実習に重点を置きます。これを実行するためには
農業では県立農業大学校との包括連携協定を結び、同時にベトナムやバングラデシュなどの東南アジアから農業実習生の留学も受け入れます。
水産業は境港食品開発研究所が最新の分析器や技術をもっており、この研究所との連携で機能性食品の開発、また養殖技術の研究も可能です。林業は杉材を使ったCLT工法が開発され高層建築の用途開発も進ん
でいます。 二次産業の製造業は、モノづくりそのものは高専や大学工学部に任せ、例えばマーケティングなどの周辺学が中心になりそうです。 問題、課題が多様で解決が難しいのが三次産業です。
これは時間の経過とともにトレンドが変化し、それに経営戦略がついて行けない事情があります。
例えば1970年代から猛威を振った大型店は商店街を壊滅させてしまいましたが今や、その主役が人口減とともにコンビニにとって替ろうとしています。個店としての深堀りができる商店の復活のチャンスでもあります。
しかし、ただ単に復活といってかつての夢を追いかけてもいけません。今のトレンドに合った変化が必要です。産業マネジメントはこうした産業が抱える課題、問題を解決するコンサルタント養成学科と見てよいと思います。
地域課題では江府町は奥大山スキー場を閉鎖するかどうか赤字を抱えながらももう少し営業してみるか、町は悩んでいるようですが、こうした課題を学・官連携でその解決策の受託研究を行います。
地域が抱える様々な課題問題を、実務経験と高度な経営学で解決して行く—これが「産業マネジメント学科」の真骨頂です。
さらに言えば米子市には医学部があります。医学そのものの研究は医学部の仕事ですが、問題はそれを応用して経済効果を引き出すマーケティング戦略が欠如してることです。こうしたことから福祉医療学科も可能性があるのではないでしょうか。

コンサル能力のある学生の養成大学に

これまで産業マネジメント学科の専攻内容について述べてきました。ここでもう一つ重要なことを提案したいと思います。
それは専門職大学卒業生は一般の大学卒業生と同じ学士号取得者です。人手不足にかこつけてこれ幸いと、皿洗いや営業員、工員といった一つの駒として扱ってはいけません。専門職大学の卒業生はそれぞれが関心もつ業種業態の発展型を考える一種のコンサル能力を持つ人材ですので、敬意を表してマネジメント的な立場に位置づけないといけません。つまりやりがいを与えることが必要で、いつまでも歯車扱いは定着を悪くします。
働き方改革とともに経営者の従来の考え方を変えなければなりません。
繰り返しになりますがこの学科は高度な経営戦略を学ぶことになります。
次回はリベラルアーツとスタートアップ学科について述べます。