地元学を通してアイデンティティを醸成

11月8日号では「伊木市長、東館に大学を創りましょう」と提案しました。この大学の性格は既に察しがついていると思いますが「地方創生」に的を絞った大学です。

政府も地方創生大学に力

6月9日、「まち・ひと・しごと創生基本方針2017」が閣議決定されました。アベノミクスの一環ですが、地方創生に資する大学改革は「地域に真に必要な特色ある大学の取り組みが推進されるよう、 産官学連携の下、地域の中核的な産業の振興とその専門人材育成等に向けた地方大学の取り組みに対して重点的に支援する」となっています。
私が提案する「米子地方創生大学」(仮称)は、真にこの基本方針に沿ったものです。
日本経済は戦後、70年余にわたり地方と大都市圏との格差に悩まされ、歴代内閣はその政治的課題に取り組んできましたが、今日に至るまでその効果を十分に発揮することができませんでした。
それどころか、今に至っては景気上昇に伴って若者の人口流出が大都市圏に向けて流出し、地方は人口減となっています。
それだけではありません。2030年頃には若者の労働人口が極端に少なくなるという試算もあり、各自治体は消滅都市回避に向けて人口の定住、移住に躍気です。  地方と大都市圏の経済格差問題の歴史については次回に述べるとして、ここでは「米子地方創生大学」の建学の精神を述べたいと思います。
その基本は、やはりその地域に合った、役立つ人材の育成の一言に尽きるのではないでしょうか。だから全国画一的な「金太郎飴」ではいけないのです。基本方針で指摘しているように、 地域の中核となる産業振興とその専門人材の育成です。特色のある地域、それを生かした産業振興、そしてそれを推進して行く人材の育成です。

全産業に人材供給を

「地域の中核的な産業」のエリアは、「米子」なのか、「県西部」なのか、人口60万余り、工業出荷額約1兆円の「宍道湖・中海・大山圏域」をエリアとするのか、議論は分かれるところです。このエリア取りに よって中核的産業の意味も多少変わってきます。
一般論として私は3次産業は勿論1次・2次産業もこれからのIoTやAI、ドローンなどによって随分、仕事内容が変化すると思います。それによってこれまでの重労働から解放され、 逆にITの応用に関心が集まるはずです。それによって人気のない1次・2次産業に専門人材が集まるようになるのではないでしょうか。
ここで「創生大学」の性格について言及しておきます。大学・学部は文系、理系という分類が一般的ですが、「創生大学」は「文系」に位置します。
モノづくりについてはこれまで、産学連携、産学官連携、産学官金連携、農商工連携、医工連携、医福連携、6次産業化など多くの連携によって国内外に適用する特色ある製品ができるようになりました。

地元大学の面白さを教授

今一番の課題は厳しい競争があるなか、それをどうやって国内外に販売するか、集客するかということです。よろず相談に寄せられる中小企業の最大の悩みは「販売拡大」です。「どうやったら商品が売れるのか」。 消費者の嗜好は日々変化します。新しいニーズにも対応し、売れる仕組みづくりを業種・業態ごとに考える必要があります。
ですから業種・業態ごとの事業戦略が組める専門コンサルを大学で養成します。そうなれば、ITのことにも当然詳しくなければなりません。つまり文系といってもプラス理工系能力も必要ということになります。
この専門性の強い人材の育成が地場産業への就職の窓口を広げるはずです。つまり既存産業のベンチャー化がビジネスの面白さをを引き出します。
地元の学生を募集し、文化・歴史も含めた地元学を学ぶことで、地元に生きる意義を見い出す。つまりアイデンティティの醸成こそが地方創生に繋がるのではないでしょうか。
政府は地方の創生大学への支援を強化しようとしています。千載一遇のチャンスです。伊木市長、幅広い検討委員会でも設けて、創立に向け早急に着手すべきではないでしょうか。

皆様の意見をお待ちしております。