産業機械を製造販売している高林産業(株)(米子市錦町3丁目-6)はこのほど、認知症の改善に役立つことが実証された福祉用具「小型加振装置(タッブ マスター・ユーフォ)」の取り扱いを始めた。

足の指先から下肢全体を律動

「タップマスター・ユーフォ」は律動器と振動付与装置から成り、ベースとなる律動器は幅 、横、高さ・5で、重さ8・4 、100V仕様の長方形型機器。使用方法はタップマスターの上に足を乗せて上下の律動運動で足から下肢全体にかけ小刻みに振動させるもの。また好みに応じて律動の強弱(3通り)もできる。しかも座ったままで5分から分 程度、足を乗せるだけなので高齢者にとって無理のない有酸素運動が可能になる。また通常は一人使用だが振動付与装置(ユーフォ)を 載せることで一度に4人が使用でき、介護施設などでは効率よく利用できる。

律動運動が認知症 改善に効果

この律動運動が認知症の改善に役立つことが第3回 日本健康促進医学会学術総会で報告された。研究発表によると、(有)ヤマナカ、 村田教授(山陽学園大学大学院看護学研究科)、広島県医工連携プロジェクトチーム、出雲市のひかわ医療生 活(協)のデイサービス、さらに廣江昭夫氏らの協力のもと、実証試験を行った。

対象者はデイサービスの利用者で、認知症の治療薬(ACh E阻害薬)を定期服薬している方の同意のもと、律動療法を1日分、週2回以上行い2カ月後に長谷川式簡易知能評価スケール(HDR—S)検査を行い、認知症に対する同療法の効果を測 定した。

検査結果はA表の通りで、非実施者は変化なかったが、 実施者は数値が9・7点か ら0・6ポイント上昇し、改善傾向がみられた。律動療法による運動療法は、律動器を用いて下肢に一定のリズムで物理的な刺激を与えることで、大脳の前頭葉の機能に改善傾向が認められると考えられる。

村田教授は「律動器を用いて腦に刺激を与える今回の方法は、ある程度進行した認知症の方にも効果が期待できる」と話している。

足は「第2の心臓」

一方、一般的に足は第2の心臓と言われ、下肢に流れた血液を重力に逆らって心臓にポンプアップする役割を果していることが知られている。律動運動することで 血管内の酸素が少なくなり、一酸化窒素(NO)が血管内で増加する。NOの増加によって血管内部が弛緩し血流がよくなる効果もある。タッブマスターは車椅子でも気軽に足を乗せるだけで運動療法ができ、認知症や血流の改善に役立つことが明らかになった。