あけましておめでとうございます

2019経済予測と展望

あけましておめでとうございます。本年も山陰経済新聞をよろしくお願い致します。

パラダイム変化の年

今年は18年に比べ様々な出来事があります。まず元号改号があります。2020年東京オリパラ直前の特需、TPP11のスタートに伴う、特に農林漁業への影響、さらには消費税増税、そして第4次産業革命の進展…「経済的パラダイム」が大きく変化し、2020年に突入する前哨戦の時期に当たるような気がします。
さて山陰の経済動向については、公式な発表資料によると「回復基調」「監調な消費」など、明るいレポートが並んでいます。しかし一方で、金融円滑法が終了したのにもかかわらず、小・零細企業者のリスクが増加しています。(本誌12月28号参照)。これは一体どういうことでしょうか。
「戦後最長の好景気」などと政府は公表していますが、地方にあっては、特に小・零細企業にあってはこの好調といわれる景気循環から取り残され感があります。
勿論、取り残された企業はそれなりの企業努力が不足している、と言わざるを得ません。好景気の影の部分です。
鳥取県は県全体の経済力をアップするための政策をいろいろな角度から支援しています。経営革新や6次産業化、農商工連携などがそれです。これの成功事例として「大江の郷自然牧場」(八頭郡)、「麦ノ屋」(米子市)といったところが挙げられます。着実な成功事例も数多くありますが、要は革新的なことに対する挑戦意欲の問題だと思います。ありきたりのようなことをいいますが、事業者の基本的な姿勢でしょう。

貿易戦争で株安、円高

ところで12月の日銀松江の短観では主に、製造業分野で保護主義による世界経済の悪化、そして日本の製造業への悪影響を懸念する声もありました。
真に米中、いや日本も含めた保護主義的貿易戦争はこれからが本番と言えるでしょう。株価は不安定化し、円高に振れれば日本の輸出産業は「いつか来た道」に戻ります。
経済的脅威は外的要因だけではありません。事業後継者難、人口減による人手不足問題などなど日本の企業は多くの課題を抱えています。
人手不足については政府は30万人の外国人労働者の受け入れを実行すべく準備を進めています。それも東京などといった大都市に集中させるのではなく、地方へ受け入れ体制の整備を強く求めてくるでしょう。
しかしこれもただ単に「受け入れれば良い」というものではありません。仕事は勿論、生活環境まで細々した受け入れ体制が要求され、不況になったからといって簡単に解雇はできません。社会保険の加入などさまざまな要件を満たさないと人手不足の解消にはならないようです。
地方の中小企業がこうしたコスト上昇に耐えられるでしょうか。単純労働で30万人のかけ声はいいのですが、本当に受け入れができるのかどうか。企業は逆に大きなコストを負担しなければならなくなります。

地方創生学の確立を

平井県知事は「新春に寄せて」の中で「鳥取県の未来を切り拓いていくのは『人』の力です」と、人材力を強調しています。
しかしこの先、人口減が進行するなか、特に18歳以降の労働人口が県外進学就職などで年約千人(大学卒)くらい流出しています。
外国人労働者の受け入れもいいでしょうが、まずは足もとの生産年齢層の県外流出に歯止めをかけ、県内就職を促す運動をしなければなりません。
そのためには地方創生を独自に進めて行く高校、大学が必要です。地元の学生の受け入れは当然ですが、高度外国人材の育成の場としても高校や大学がその役割を果していかなければと思います。
大学創立について少し触れさせてもらいますが、これまでの大学は普遍性をもった教育・研究を主眼に教えてきました。しかしこれからは、地方創生に視点を置いた特徴のある大学が重要になります。
普遍性のある社会科学をいかにして「地方創生」に役立つ学問にして行くか。これはどこの大学も試みたところはなく、新しい地方創生学の出発点となるでしょう。
若者の人口流出が進み県内経済力が疲弊する前に「長岡藩の米百俵」の教訓のように今こそ、地方創生大学を創立し百年の計で人材を養成して行くことです。