グローバル化の次はITで企業間格差拡大

人手不足、生産性向上が後押し

 第4次産業革命の波が波が地方企業にも徐々に押し寄せいる。しかもかなり広い業種に広がっているようだ。
この産業革命が注目される要因は何なのか。最初に上げられるのはIT技術の目覚しい進歩だ。性能がよくなって利活用分野が広くなり、
様々な業種で取り込めるようになってきたことで、地方の中小企業も積極的にIT化に取り組むようになった。
2番目には人手不足となり、それによって人件費高騰で収益、つまり生産性を上げる必要が出てきたことだ。新卒採用が難しくなり有効求人倍率が上昇するなか、
かなりせっぱ詰まる状況に陥っている。それに国会審議中の「働き方改革」がプレッシャーとなって中小企業を追い詰める。
こうした状況から人口減も含め、国や県はIT化に向けて様々な補助金や融資制度で支援している。「人手に頼らない生産性の向上」といったところか。
つまりIT化で人件費高騰と人手不足を吸収すれば一方で大量の失業者を生む可能性がある。このトレードオフは人口減で相殺されるという思惑なのか。

ITが重労働を解放

 IT化で興味深いのは農業分野への導入事例だ。というのも、農業と言えば昔から3Kの代表業種だったが、最近ではドローンによる農薬散布やトラクターをスマホで動かす自動化、
ITによるハウス栽培も進み、重労働から解放されホワイトカラー化するこの分野に若者の就業も少しずつ増加している。
この傾向は製造業分野で著しく、この業種こそIT化で工場の生産性を上げないと、グローバル化にも対応できないし、下請企業としての存亡にもかかわってくる。
IT化が難しいのは「対面型」のサービス業や介護といった業種だろう。2×××年のAIやロボット世界を語る未来予測本はいくらでもあるが、
ヒトの心の変化まで読み解く作業は簡単にはAI化とは行かないのではないか。
一方、IT化が全て「良い」というわけでもない。現象には必ず「光と影」があるが、まず考えられるのは日進月歩のIT投資が実際に地方の、特に製造業がどこまで装備できるかが課題になる。
投資の進捗によっては企業間格差が生じ収益性の低い中小企業は脱落し、休廃業に追い込まれるかも知れない。
地方の製造業は2000年以降の急速な経済のグローバル化でアパレルから電機部品産業が瞬くまに消えてしまった。今度はITに脅されることになる。

メガバンクに見る影の動き

 ITがもたらす「光と影」のところで、業界によっては既に「影」の動きが出ている。大手銀行業界だ。メガバンクは2020年頃を目途にIT化で3万人分の業務削減に乗り出した。
この波は地銀も大変革を迫られそうだ。山陰を代表する山陰合同銀行を含む地銀7行はデジタル化戦略に関する連携協定を5月に締結し、共同出資会社を設立した。
この新会社で計画している開発研究は、銀行を高度化させるためのAIやRPA(ロボット・プロセス・オートメーション)、店舗のデジタル化(ペーパーレス化、キャッシュレス化、
後方事務の廃止)インターネットバンキング、バンキングアプリの向上などに取り組む。
水面下でIT化の「光と影」が進行している。